「難民定住者との意見交換会」は、2020年より、アジア福祉教育財団が新宿区と共催している「日本定住難民とのつどい」の一環として実施しています。この意見交換会は、各難民コミュティと自治体や民間支援団体が出席し、難民コミュニティが自団体のもつ問題や課題に対して、他団体の現状や取り組みを知り、今後の活動へのアイデアを提供したり、ホスト社会がこれらの課題を理解する機会となり、難民的背景や外国にルーツをもつ人々を包摂する社会実現への取り組みを促進することを目的に開催しているものです。
今回の意見交換会では、新型コロナ感染防止のために参加人数の制限を設けざるを得なかったのですが、それでもベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーの難民コミュニティから8団体の代表など19名、日本側から主催者である当財団と新宿区の関係者7名のほか、3つのNGOの代表3名が出席しました。また、UNHCRのファルカス駐日代表、IOM関係者の他、外務省、文化庁、出入国在留管理庁の関係者がオブザーバー参加し、別室に設けたモニターによって意見交換会の模様を視聴しました。このような形で、日本における難民定住者を一堂に集めた会議が開催されたのは初めてのことです。
この意見交換会では、毎回、多くの難民定住者等から率直かつ前向きな発言が聞かれます。特に、子どもの教育、高齢者の介護や亡くなった親族のための墓地の確保、次世代への継承問題等には、各難民コミュニティが同じように直面しています。当財団では、解決に向けた難民コミュニティの活動へ資金援助を行う他、異なる文化背景を持つ人々が、互いに理解し合い、共に暮らせる地域社会の創生に取り組んでいます。
意見交換会の詳細は、広報誌 「愛」 の関連記事、YouTubeをご覧ください。