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活動報告

2023年度資金援助活動報告

アジア福祉教育財団では2023年度に8団体13事業に対して資金援助を行いました。 どの事業も工夫がされており、今後日本での多文化共生の一助になることを願っています。今回はその活動と活動の立役者を一緒にご紹介していきます。

【2023.6】 

援助先:EmPATHy(ユースなんみんプラットフォーム x 難民の背景をもつユース)
参加者の声:Mohammed ALMASRIさん

援助後の活動の報告です。共同設立したグループ「ジャパンブリッジ」とともに、JICAとUNHCRの協力を得て、展示会と募金活動を企画し、 シリア北西部と日本の石川県で地震の被害を受けた地域のために募金活動を行いました。 また世界中の難民を代表するロボット工学チーム、チーム・ホープも訪問し全日本ロボット相撲大会に出場しました。 

2023ATCR(Annual Tripartite Consultations on Resettlement)日本から初めて難民の代表として参加するため開催地であるジュネーブ(スイス) までの渡航費を援助しました。
参加後の報告会についてはこちらをご参照ください。 「UNHCR主催の第三国定住に関する年次三者協議(ATCR)」参加報告会

【2023.7】 

援助先: NPO法人日本在住ベトナム人協会

このプログラムの参加者:Khiemさん

愛知県春日井市在住しており、自動車工場の生産ラインの設計をする仕事をしながら、夜間プログラムに参加しN1(日本語検定1級)を取得することができました。 それだけではなく嬉しいことに2024年度の講師になることが決まっています。次の世代により多くの合格者を輩出できるように頑張っています。

日本語能力試験対策講座として、オンラインにて開催しました。 クラスをN1~N4クラスに分け、ベトナム語を用いて授業を行ったのでベトナム人には授業の理解が深まりました。 講師、生徒共に海外からや地方からの参加がありオンラインの利点を十分に発揮できました。 講師への謝礼、合格者への受験費用の補助として援助を行いました。
  

援助先:在日カンボジアコミュニティ

このプログラムの立案者:石沢司さんと西村オールさん

カンボジアの仲間達は新たに前橋市に集えるところができてとても喜んでいる。
文化継承ではカンボジアだけではなくラオスの同級生も一緒に参加しているので地域のコミニティとして喜ばしいことだった。

日本に定住しているカンボジア難民等への生活支援、相談対応を行っています。 相談内容はビザや永住権の申請、国際結婚、就職活動などどれも日本で暮らしていく上で生活に密着した内容でした。 自分たちの経験からアドバイスを伝え解決できたことがある一方で、法律などの知識を必要とするため解決に至らない問題もありました。 ただし解決に至らなかった事でも問題を共有していくことはコミュニティを継続していくうえで重要な鍵となりました。 援助項目は相談者、アドバイザーの交通費、資料代として利用されました。

【2023.8】

 

援助先:Harmony Sisters Network(ロヒンギャ難民女性の会)

このプログラムの立案者:Khadiza Begumさん
ロヒンギャと日本人の子どもたちが文化交流を深めるイベントを成功させることができました。 このイベントでは、相互理解と絆を育む重要な体験を提供しました。さらに、オンライン講演会を通じて、ロヒンギャ女性たちが日本社会と積極的に交流する機会も創出されました。

【在日ロヒンギャの子供と日本の子供の交流 お互いを知ろう】
在日ロヒンギャのこどもたちが自身の文化を紹介し自尊心を向上させ、学びのアウトプットを行う事を目的にイベントを行いました。 東京大学にてキャンパスツアー、将来の夢、イスラム教の礼拝、ヒジャブについて各項目の発表と体験を行いました。 ロヒンギャの親子52名と日本人の親子10名が一緒になって勉強し、お互いの違いを知り理解を深めることができました。 参加したロヒンギャの多くは群馬県に居住しているため、今回は会場までバスを借りて一緒に移動しました。 東京大学で行った事は大学に進学するという目標をリアルに感じたイベントとなりました。  


【在日ロヒンギャと日本の大人の交流】
日本に住むロヒンギャ民族と日本で生まれ育った者との考え、 慣習の相互理解を促すことを目的にオンラインで2回ワークショップを開催しました。 ワークショップでは11の質問に各自回答し自身の答えと他民族の答えを比較し共通項や相違点を確認しました。 共通項では「人生において愛情が一番大事と考える傾向」「宗教の違いが人間関係を決定するとは考えていない」などがあげられ、 相違点ではロヒンギャの半数が「今一番欲しいもの」の問いに対して「教育機会」と答えていたことが特徴的でした。 この事業にはオンラインの発信する会場および設備の費用として援助いたしました。

【2023.9】

 

援助先:NPO法人在日カンボジアコミュニティ

このプログラムの立案者:八代まりなさん

資金援助を受けてとっても良かったです。 コロナでしばらく活動を控えてましたが、この資金援助をきっかけに活動が再開する事ができました。 宿題教室や、舞踊教室で子供達の、学び場の提供が出来たと同時に新たな挑戦が提供出来た事にとってもよかったです。 また、今回の資金援助を受けて行った活動のおかげで母国の仲間たちにも刺激を与える事ができ、新たにメンバーが増えました。ありがとうございました。

【宿題教室】
勉強をしたくても塾に通えないこどもや、学校の勉強が遅れてしまう子供たちを対象に、集まって学ぶ楽しさ、わかる

楽しさが得られ るよう大学生が先生になって算数と国語を中心に学びました。一番の成果は学ぶことを習慣にできたことです。 当財団では今回先生の謝礼、資料などの費用を援助いたしました。

【クメール語、クメール舞踊】
日本の学校に通う子供たちは自然と日本語を身に着けていますが、母国に興味を持ち文化の継承となるよう毎週行いました。 クメール語では1~10までの発音と筆記ができるようになり、家庭内では両親とクメール語での会話増えたようです。 舞踊では4曲をマスターし、5回発表する機会を得ました。母国の文化継承では先生への謝金をメインに助成しました。

【社会保険セミナー】

日本での年金の取得について2017年に制度が変更になったことに伴い、自分事として考えられるよう社会保険労務士から説明を受けました。 改めて知ることによって、きちんと年金受給に向けて手続きをすることや、滞在資格が永住者なのか帰化しているのかによって違うことも知ることができました。 今回は主に社労士および通訳の方の謝金費用として援助させていただきました。

  

援助先:NPO法人日本在住ベトナム人協会(VAJ)
このプログラムの立案者:橋本ヒューさん

VAJの運営は2024年上半期に明らかに改善しました。 4月初旬のイベントでは、主催チームの熱意がかつてないほど高いレベルにあることが示されました。 これは昨年末に修了した「次世代リーダー育成研修」の具体的な成果の一つであると断言できます。 今年の夏、日本全国のベトナム人技能実習生や留学生を対象に、大規模なサマーキャンプを開催する予定で、 「次世代リーダー育成研修」の長期的な有効性を改めて示す機会になります。 いかなる公益団体にとっても、最も重要で持続可能な資源はやはり人材です。 VAJのコアチーム向けの研修コースを後援していただいたFWEAPに改めて感謝いたします。

2023年9月から2024年1月までの間に数回に分けて次世代を担うリーダーの育成プログラムを行いました。 外部講師にもお願いし、「災害時の外国人対応」「ストレスの解消と精神の健康」など様々なテーマで講演いただき日本社会への理解、 リーダーとしての役割を研修していきました。研修はオンラインとのハイブリッドでの開催と、 合宿で実際に集まるという相乗効果を活かして次世代とのバトンも確実につなげる工夫がされていました。 後日談としてこのプログラムの参加者から口コミで新しい世代の呼び込みにも成功させているとのことです。

  

援助先:在日カンボジアコミュニティ

このプログラムの立案者:石沢司さんと西村オールさん

 

神奈川県大磯町と群馬県前橋市の2か所の拠点にて日本で生まれたカンボジアの子供たちに、 カンボジアの言語・音楽を学び自分のルーツを知りアイデンティティにつなげていく活動を行いました。言葉は日常を日本語で過ごしているので、 発音に苦労をしていますが、音楽を実際に行うことと合わせて楽しさを感じているので続けていけています。 この活動に楽器の購入など文化継承につながる費用の援助を行いました。  

【2023.11】

 

援助先:在日ビルマロヒンギャ協会(在日ロヒンギャの協会)

このプログラムの立案者:長谷川健一さん

全く日本語が使えなかった人たちが少しでも使えるようになって良かったです。

【AJALT(国際日本語普及協会)の先生を迎えて11/25から毎週土・日にオンラインで日本語教室を開催しました。 コミュニティの中にいると必要最低限の日本語が使用できれば生活もできますが、 日本で地域の一員と過ごすためにも、改めて基礎である読み方から形容詞や過去形など文法も含めて学び続けました。 今回新たなる団体に援助できたことも喜びでした。

【2023.12】

 

援助先:Human Welfare Association (バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプを支援する団体) 

このプログラムの立案者:長谷川 留理華さん

今までは大学関係者、学生などが、ターゲットでしたが、今回のイベントでお母さん、女性、そして子供をターゲットにできた事がとてもよかったです。 それから日常的に摂る食事を囲みながら話し合えた事がとても良かったです。

食を通じてのロヒンギャ民族との相互理解セミナーと題して、12月と2月の2回親子が参加してロヒンギャ料理を一緒に作り、 無国籍のこと、ロヒンギャを始め難民のことを知るために主に小学生のこどもたちを中心に集まりました。

詳細については→ 親子ロヒンギャ料理教室&絵本の読み聞かせ

【2024.3】

 

援助先:NPO法人PEACE(在日ミャンマー及び少数民族を支援する団体) 

このプログラムの立案者:宗田さん、マリップセンブさん(左から)

「難民の企業支援」をキーワードにPEACEのメンバーがアメリカで行われている企業のノウハウを探りに旅をし、 帰国後はオンラインで報告会を行いました。アメリカと日本では環境が違うこともありますが、「地域社会」のつながりが大事であることを再認識しました。 日本で定住している仲間が将来に希望を持ち、起業のきっかけになっていくことを願うのと、 今後はアメリカでの視察をしてきたことを元にコミュニティの相談役として活躍されていくことを願っています。 今回は往復の航空券代を助成させていただきました。

 

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