EmPATHyに対する資金援助 「UNHCR主催の第三国定住に関する年次三者協議(ATCR)」参加報告会
7月26日に、アジア福祉教育財団が資金援助を実施したEmPATHy (Empathetic Multicultural PATH with Youths)をお招きして、「UNHCR主催の第三国定住に関する年次三者協議(ATCR)」の参加報告会を開催しました。
EmPATHyは、日本で暮らす難民の背景を持つ若者と日本の大学生のイニシアティブで、2022年に活動を開始し、日本国内で難民支援活動を行う「Youth UNHCR」、日本の大学で学ぶための「UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)」や「シリア平和への架け橋・人材育成プログラム(JISR)」の学生、そのほか難民としての背景を持つ若者などで構成されています。
今回、6月26日から同28日、UNHCRが主催する第三国定住に関する年次三者協議(ATCR:Annual Tripartite Consultations on Resettlement)に、UNHCRの招きにより、我が国からEmPATHyのムハンマド・アル・マスリさんが派遣されることとなり、当財団はマスリさんのスイス・ジュネーブまでの往復旅費などの資金援助を行いました。
審査において、当財団は日本在住の難民当事者である方が、国際レベルの協議の場に参加し、発信することは、難民問題に対する国内及び国際的な理解の増進に資するもと捉え、273,000円の支援を決定しました。
報告会には、EmPATHyの金澤共同代表、マスリさん、通訳のハーリッド・アサッフさんが出席し、ATCRにおいて行ったプレゼンテーションや日本代表団の取組みをご紹介いただきました。特に、シリア、イラク、スーダン、南スーダン、パキスタン、アフガニスタン、ベトナム等の世界の難民代表グループであるRefugee Advisory Group (RAG)が、当事者として再定住と補完的保護に関する政策決定に影響を与えることの重要性や“Nothing about us without us” If you’re working on Africa, hire at least one African person, if you’re working on refugee issues, hire a refugee…etc.(私たちのことを私たちに相談せずに決めないで。アフリカに取り組むのであれば、少なくとも1人はアフリカ人を雇い、難民問題に取り組むのであれば、難民を雇う等々)についてアピールされました。この声明によって、意思決定への難民の有意義な参加の重要性を訴えました。この報告会に参加した難民事業本部(RHQ)職員からは、「自身も難民出身であり、同じ境遇の方々を支援することに使命を感じている。マスリさんの報告に共感した」との感想がありました。
今回の報告会は当財団職員の研修を目的としましたが、そのほかUNHCR駐日事務所、なんみんフォーラム事務局、資金援助の審査を担当した理事にご出席いただき、多くの方の学びとなりました。